アントニオ・バディーレ2世 (15世紀) - 聖母子
アントニオ・バディーレ2世によるテンペラ画(キャンバス地、額装)。美術史家アレッサンドロ・デルプリオーリによる鑑定書付きの聖母子像です。
象徴的な「閉ざされた園(hortus conclusus)」であるバラの花垣に囲まれた花畑の中で、聖母は木製の玉座に腰を下ろし、薄いヴェールをまとった胸を幼子イエスに差し出しています。幼子イエスは聖母を祝福し、「Filia praebe michi cor tuum • ubi est tesaurum tuus ibi est cor tuum erit(娘よ、あなたの心を私に与えなさい。あなたの宝のあるところにこそ、あなたの心もある)」という聖句が記された巻物を持っています。これは箴言とマタイによる福音書の一節を組み合わせた聖母への祈りの言葉です。玉座の足元には神の子羊とベルナルディーノのモノグラム「YHS」が描かれており、フランシスコ会厳格派との関連を示唆しています。
この絵画は、もともとはヴェローナのサン・ベルナルディーノ教会の行列用旗の一部であった可能性があり、ヴェネトの国際ゴシック様式の流れを汲みつつ、ピサネッロの自然主義やジョヴァンニ・バディーレの伝統を継承しながらも、より厳格な空間構成と遠近法を取り入れ始めている過渡期の作品です。
顔立ちの柔らかさ、透き通るような光、赤と金のブロケード(錦織)の優雅さは、アントニオ・バディーレ2世の初期作品の特徴を示しており、父からの教えと15世紀半ばのヴェローナで広まっていたルネサンスの新たな影響が融合しています。
額装サイズ:130 x 111 cm。
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